「爆音映画祭2019 特集タイ|イサーン VOL.3」でも上映した『暗くなるまでには』を含んだ特集「アノーチャ・スウィチャーゴーンポン監督特集:〈わたし〉の歴史学」が11月にKBCシネマにて上映されます。
昨年のアジアフォーカス・福岡国際映画祭での特集上映企画に新作を追加・再編した3つのプログラムで、アノーチャ監督とその作品、 そして映画の背景にあるアジアの社会状況や映画産業などについて理解を深めるフォーラムも開催されます。ぜひご注目ください。
boidの樋口は宮崎大祐監督とともに、11/23(火・祝)のフォーラム「『暗くなるまでには』はどうしてこんなにすごいのか」に登壇します。
アノーチャ・スウィチャーゴーンポン監督特集:〈わたし〉の歴史学
世界各国で高い評価を集めるタイの女性監督、 アノーチャ・スウィチャーゴーンポンの特集上映です。 昨年のアジアフォーカス・福岡国際映画祭での特集上映企画に新作を追加・再編した3つのプログラムをお届けします。
日 時: 2021年 11月22日(月)~28日(日)7日間 / 1日1枠(19:00~)
会 場: KBCシネマ(福岡市中央区那の津1-3-21)
料 金: 1,500円(各プログラム)
上映作品:
『カム・ヒア』COME HERE ※日本初公開
(2021年 | タイ | 69分)
監督:アノーチャ・スウィチャーゴーンポン
字幕:高杉美和
『レモングラス・ガール』 LEMONGRASS GIRL ※日本初公開
(2021年 | タイ | 17分)
監督:ポム・ブンスームウィチャー
脚本・製作:アノーチャ・スウィチャーゴーンポン
字幕:高杉美和
『暗くなるまでには』BY THE TIME IT GETS DARK (Dao Khanong)
(2016年 | タイ・フランス・カタール・オランダ | 105分)
監督:アノーチャ・スウィチャーゴーンポン
協力:福岡市総合図書館
字幕協力:大阪アジアン映画祭、 大西公子
『ありふれた話』MUNDANE HISTORY(Jao Nok Krajok)
(2009年 | タイ | 82分)
監督:アノーチャ・スウィチャーゴーンポン
字幕協力:松岡葉子
アノーチャ・スウィチャーゴーンポン(監督・プロデューサー、Purin Pictures共同ディレクター)
タイ出身の映画監督。英国で学んだのち、米コロンビア大学の芸術部へ。卒業制作の短編映画『Graceland』が2006年のカンヌ国際映画祭シネフォンダシオン部門で上映され、短編作品としてタイ映画史上初のカンヌ入りを果たした。初の長編作品『ありふれた話 Mundane History』(2009)は、ロッテルダム国際映画祭のタイガー・アワードをはじめ、世界各国で数々の映画賞を受賞。長編2作目『暗くなるまでには By the Time It Gets Dark』(2016)は、ロカルノ国際映画祭でのプレミア上映後、トロント、BFIロンドン、ウィーン、ロッテルダムなど50以上の国際映画祭で上映。本作はタイ映画界で最も権威ある映画賞のスパンナホン賞で最優秀作品賞、監督協会賞も受賞している。また、プロデューサーとしてバンコクを拠点とするElectric Eel Filmsを設立し、多くの短編映画や長編映画を製作。
2017年には、ウィッサラー・ウィチットワータカーン(Visra Vichit-Vadakan)、アーティット・アッサラット(Aditya Assarat)とともに、東南アジア映画の製作、配給、上映、ワークショップ、イベントなどの関連活動を支援する映画基金Purin Picturesを設立し、活動を続けている。
Asian Film Joint : Meeting (フォーラム)
アノーチャ監督とその作品、そして映画の背景にあるアジアの社会状況や映画産業などについて理解を深めるフォーラムを実施します。ゲストにはこれまでの映画祭を通じて繋がってきたアジアの映画人たちを中心に、様々な分野の識者をお迎えし、計6回の講座として展開します。
※フォーラムの登壇者は一部を除きオンラインでのご出演を予定しています。
視 聴: Youtube内 Asian Film Joint チャンネルにて無料配信
①〜③
開催:11月11日(木)、15日(月)、18日(木) 各回とも18:30開場/19:00開始
会場:本のあるところajiro(福岡市中央区天神3-6-8)※要ワンドリンク|各20名限定
④〜⑥
開催:11月22日(月)、23日(火・祝)、27日(土) 各回とも上映終了後 20:30頃〜
会場:KBCシネマ(福岡市中央区那の津1-3-21)
① 11/11(木) アノーチャ・スウィチャーゴーンポン入門
ゲスト:夏目深雪(映画批評家/編集者)、佐々木敦(思考家)、吉岡憲彦(前・バンコク日本文化センター所長)
各国の映画祭で高く評価される映画作家であり、東南アジアのインディー映画の制作支援を行う映画基金Purin Picturesで共同ディレクターを務めるアノーチャ・スウィチャーゴーンポン。アジアを代表する才能でありつつも、ときに実験的で難解とも評される彼女の映画作品の魅力を、お三方の識者の解説で紐解く「アノーチャ入門」をお届けします。
② 11/15(月)2564年のタイとインディー映画
ゲスト:福冨渉(翻訳家/タイ文学研究)、ドンサロン・コーウィットワニッチャー(映画評論家/プロデューサー)
2021年現在(=タイの仏暦で2564年)のタイでは、独裁的な軍事政権に対する民主化デモが長期化し、大きな社会の転換期を迎えています。デモ活動に文化的な手法や表現を活用することで、若者を中心にこれまでにないムーブメントが生まれるなか、現地のインディー映画シーンではどのような活動が生まれているのか? その現状に迫ります。
③ 11/18(木)“推し活”としての自主上映
ゲスト:井戸沼紀美(「肌蹴る光線」主催)、山下宏洋(イメージフォーラム・フェスティバル ディレクター)、今井太郎(harakiri films/Foggy)
興行収入優先で無数の新作が発表され続ける現在の映画ビジネスにおいて、これからも国内外の小規模なインディー映画やアートフィルムを観客に届ける術はあるか? その勝ち目は“推し活”的なマインドとメソッドにある、と仮定して登壇者たちの実例を交えて紹介。あなたにも真似できる(かもしれない)新たな映画の流通モデルを考えます。
④ 11/22(月)東南アジア映画の現在地
ゲスト:坂川直也(京都大学東南アジア地域研究研究所)、アノーチャ・スウィチャーゴーンポン(監督/プロデューサー)、ポム・ブンスームウィチャー(監督/プロデューサー/Purin Picturesリサーチャー)
劇場での上映直後にお届けする本フォーラムでは、前半に両監督をお迎えした作品の解説をお届けします。後半には、両ゲストも参加する映画基金Purin Picturesが毎年発表している、東南アジアのインディー映画にまつわる統計資料「SEASTUDY」を参考にして、アジアにおけるインディー映画の展望についてお話を伺います。
⑤ 11/23(火・祝)『暗くなるまでには』はどうしてこんなにすごいのか
ゲスト:樋口泰人(boid主宰/爆音映画祭プロデューサー)、宮崎大祐(映画監督)
アノーチャ監督の国際的評価を決定づけた『暗くなるまでには』。既存の映画原理を刻々と引き剥がし、観客を未知なる境地へと導く圧倒的な本作を二人の識者が徹底解説。過去に同作を爆音映画祭で上映した樋口氏と、本作を愛してやまない宮崎監督の視点を借りて、この映画が「どうしてこんなにすごいのか」について迫ります。
詳細はこちらにて更新されます。
Asian Film Join2021
https://asianfilmjoint.com/