最新作『夜を走る』の公開を控える佐向大の初期作品集をGhost Streamにて2022年5月2日(月)より配信開始です。
『佐向大初期作品集』
佐向監督の商業映画監督デビュー以前に制作された作品の中でも、特に『夜を走る』との関係が色濃い三作品、『車をさがす』『ひとつの銃声』『まだ楽園』。
二人組で行動する男たち、車の窓の向こうを流れていく風景、そして時折垣間見える、死や世界の綻び。
最新作へと直接つながるテーマを持つ作品とともに、佐向大という作家が(再)発見されるべき時が来た。
【GHOST STREAM HP】https://ghoststreamweb.com/
【料金】3作品セット 1,200円
また、配信とあわせてGHOST STREAMには以下の関連記事も掲載中。映画とともにぜひどうぞ!
・佐向大監督インタビュー「あるけどない、いないけどいる」
https://ghoststreamweb.com/text/sako-interview/
・作品レビュー(文:結城秀勇)「回転の不確かさ」
https://ghoststreamweb.com/text/sako-review/
『車をさがす』
1998/21分/Hi-8
監督・脚本・撮影・編集 佐向大
出演 倉茂透、関谷真人、小川登、石垣昌宏、狩野洋平
車で海にやってきた二人の男。暗くなってきて帰ろうかと、車を止めた場所に向かうが、そこに車はない。ポケットを探ると車のキーすらない。車を止めたのは本当にあの場所だったのか?そもそも車はあったのか?なにひとつはっきりしない散漫な記憶力と注意力で、男たちは車をさがして彷徨い歩く。男たち同様に、目的も動機もはっきりしない人々が幽霊の様に徘徊する夜の街で、観客たちは次第に「ある」ものと「ない」ものの境目へと、引きずり込まれていく。
https://ghoststreamweb.com/movie/kurumawosagasu/
『ひとつの銃声』
2003/10分/DV
監督・脚本・撮影・編集 佐向大
出演 小口心平、三上剛、小川登
海岸で銃を拾った男。友人宅に相談しにいくも、なぜかまともにとりあってもらえない。とりあえずメシでも食うか、と油断したその時、銃声は鳴り響き、転がる死体。男の行く先々で、銃声が鳴り、死体が転がり、挿入される数字の数は増えていく。だがある時、数え間違えでもしたかのように数字が飛んで、死体とそれを見つける者の立場が入れ替わる。同じ銃声の反復の果て、原因は結果へ、結果は原因へと姿を変える。
https://ghoststreamweb.com/movie/hitotsunojusei/
『まだ楽園』
2005/82分/DV
監督・脚本・編集 佐向大
撮影 佐向大 倉茂透
音楽 ミサイルズ
出演 中村英司、森本忠典、水高陽子、小川登、日守良平
彼女に行き先も目的も旅行の日程も伝えることなく、雄二(中村英司)は友人の俊(森本忠典)とともに、車で旅に出る。どれだけ遠いのか、どれだけ近いのかもわからない旅の目的地への途中で、彼らは自転車で旅をする二人組と何度もすれ違う。どこまでも続く道路、その脇に建つありふれたコンビニやスーパー、カラオケ店。あてどない道行の様で、しかし果たさねばならない目的のある旅の途中、二人はチカ(水高陽子)という謎めいた女性に出会い、雄二は自らの過去に向き合わねばならなくなる。
https://ghoststreamweb.com/movie/madarakuen/
■佐向大
1971年神奈川県生まれ。処女長編『夜と昼』(1995)、中篇『車をさがす』(1998)がともに神奈川県映像コンクールで審査員特別賞を受賞。長編第二作『まだ楽園』は、黒沢清をはじめとする各方面からの絶賛を受け、劇場公開される。『休暇』(2008、門井肇監督)、『アブラクサスの祭』(2010、加藤直輝監督)の脚本を手掛け、2010年に『ランニング・オン・エンプティ』で商業映画デビューを果たす。2018年、大杉漣の最後の主演作『教誨師』で高い評価を受けた。
『夜を走る』
5/13(金)テアトル新宿 5/27(金)ユーロスペースほか 全国順次公開
http://mermaidfilms.co.jp/yoruwohashiru/